MENU

第2回|星を見るなら、泊まったほうがいい。

八ヶ岳へ星を見に行く。

夜になったら星がよく見える場所へ車で向かい、空を見上げる。

満天の星を見ることができたら満足して、そのまま帰る。

もちろん、それでも星空は楽しめます。

でも、星空案内室では少し違う八ヶ岳の夜を考えています。

50代、60代になったら、星を見るために急がなくてもいい。

むしろ、泊まってしまう。

星を見る前の夕暮れから、星を見終えたあとの静かな夜、そして翌朝までを一つの旅にしてしまう。

私たちが面白いと思っているのは、星そのものだけではありません。

星が出るまでの時間と、星が消えたあとの時間です。


目次

昼の八ヶ岳だけを見て帰るのは、少しもったいない

八ヶ岳の有名な場所を検索すれば、たくさん出てきます。

清里、小淵沢、野辺山。

高原、牧場、美術館、カフェ、レストラン。

昼間なら、いくらでも予定を作れます。

朝から何ヶ所も巡り、昼食を食べ、午後も観光する。

普通の旅行なら、それで十分かもしれません。

でも夕方になると、八ヶ岳は少しずつ別の場所になっていきます。

観光客が減る。

車が少なくなる。

店の灯りが消えていく。

森の色が変わる。

夏でも空気が冷えてくる。

冬なら、その変化はもっとはっきりしています。

そして高原に夜がやってきます。

八ヶ岳の一日は、観光施設が閉まったところで終わるわけではありません。

むしろ、そこから始まる時間があります。


星は、夜だけの出来事ではない

満天の星空の写真を見ると、星は突然夜空に現れるように感じます。

実際は違います。

夕方の空から少しずつ明るさが消えていく。

山や森が黒くなっていく。

最初の星が見える。

もう一つ見える。

気がつけば、昼間とはまったく違う空になっている。

この変化をゆっくり見ることができるのは、一泊する旅の面白さです。

夜になってから車で星空スポットへ向かうのではなく、

夕方から夜になる八ヶ岳そのものを見る。

私は、この時間にもかなり価値があると思っています。


50代、60代なら、夜の運転を減らしてもいい

若い頃なら、星を見てから何時間も運転して帰る旅もできたでしょう。

夜遅くまで遊んで、そのまま高速道路へ乗る。

翌日は少し眠くても何とかなる。

でも50代、60代になったら、そんな旅を無理に続ける必要はありません。

星を見るために疲れる。

帰りの運転が気になる。

翌日まで疲れが残る。

それでは、せっかく八ヶ岳まで来ても落ち着きません。

だったら泊まってしまう。

夜は急がない。

眠くなったら宿へ戻る。

温かい風呂に入る。

そして寝る。

若い頃より行動範囲を狭くすることが、旅を小さくするとは限りません。

むしろ一ヶ所にいる時間を増やすことで、旅が深くなることがあります。


二人で見る星は、イベントでなくてもいい

夫婦二人で八ヶ岳へ来たとします。

立派な天体望遠鏡がなくてもいい。

星座を全部知らなくてもいい。

星空撮影の技術も必要ありません。

夕食を食べる。

少し休む。

上着を着る。

二人で外へ出る。

空を見る。

寒くなったら戻る。

それだけでもいい。

「あれは何の星だろう」

そんな話をしてもいいし、何も話さなくてもいい。

旅行だからといって、ずっと何かをしている必要はありません。

二人で同じ空を見ている時間そのものが、旅になる。

50代、60代の二人旅なら、そういう贅沢があってもいいと思います。


一人なら、誰にも合わせなくていい

一人で八ヶ岳へ来る場合は、さらに自由です。

星を見る時間を誰かと相談する必要がない。

食事を終えてすぐ外へ出てもいい。

部屋で本を読んでからでもいい。

30分だけでもいい。

寒かったら5分で戻ってもいい。

誰にも説明しなくていい。

昼間は森を歩く。

夕方になったら宿へ入る。

風呂に入る。

食事をする。

夜、少し外へ出る。

空を見る。

戻って酒を一杯飲む。

眠くなったら寝る。

それでいい。

一人旅の贅沢とは、高級なものを買うことだけではなく、

自分の時間を、全部自分で決められること

なのかもしれません。


星空のあとに温泉がある

星空を見る旅というと、どうしても「星を見る場所」に注目が集まります。

でも50代、60代の旅なら、その前後も大切です。

外で冷えた身体を温められる場所がある。

温泉に入れる。

部屋へ戻れる。

温かい飲み物がある。

少し酒を飲める。

そして、すぐ眠れる。

こういうことが意外と大きい。

星がきれいかどうかだけで宿を選ぶのではなく、星を見たあとをどう過ごせるかで宿を考える。

これは大人の星空旅では、かなり重要な視点だと思います。


星が見えなかったらどうする?

ここが、星空を目的に旅行するときの難しいところです。

天気は選べません。

せっかく八ヶ岳へ行ったのに曇っている。

雨が降る。

霧が出る。

満天の星を期待していたら、何も見えない。

それは普通にあります。

でも、そこで旅行全部を「ハズレ」にしてしまうのはもったいない。

雨なら、雨の高原を見る。

霧なら、霧の森を楽しむ。

温泉に入る。

静かな店で酒を飲む。

部屋で本を読む。

早く眠る。

雨音を聞く。

そして翌朝を待つ。

星が見えなかった夜にも、旅は残ります。

これはStargazing Guideでこれから何度も考えていきたいテーマです。


雨や霧の夜にも、八ヶ岳はある

晴れた日の八ヶ岳だけを「当たり」にしてしまうと、旅は天気予報に支配されます。

でも雨の高原には雨の日の匂いがあります。

森の緑が濃く見える。

霧が木々の間に入ってくる。

屋根を叩く雨音が聞こえる。

外へ出られないなら、温泉に入ればいい。

部屋で珈琲を飲んでもいい。

酒を一本買っておいてもいい。

予定を減らす。

雨の日には、雨の日にしかできない夜があります。

これは晴天の代用品ではありません。

別の八ヶ岳です。


そして翌朝、もう一度外へ出る

一泊する旅の面白さは、ここからです。

朝。

できれば少し早く起きる。

カーテンを開ける。

外を見る。

そして可能なら、少しだけ外へ出る。

前の晩に星を見た場所が、朝になるとまったく違って見えます。

夏なら、まだ一日が始まる前の涼しい空気。

鳥の声。

朝露。

霧。

冬なら、さらに静かです。

冷え切った空気。

凍った道。

雪があれば、雪を踏む音。

昨夜の暗い森と、朝の森。

同じ場所なのに別の景色です。

星空の翌朝までが、八ヶ岳です。


朝の珈琲まで含めて、一晩の旅にする

星を見た翌朝。

豪華なイベントはいりません。

温かい珈琲が一杯あればいい。

朝食をゆっくり食べる。

少し森を歩く。

鳥の声を聞く。

湖へ行くのもいい。

朝風呂があるなら、それもいい。

そのあとで帰る。

一泊二日なのに、昼間の観光地だけを回る旅とは、時間の密度がかなり違います。

観光地を五ヶ所回ったわけではありません。

でも、

夕暮れを見た。

夜を過ごした。

星を見た。

温泉に入った。

朝の空気を吸った。

珈琲を飲んだ。

そういう旅です。


一泊で買っているのは、部屋だけではない

宿泊料金を見ると、どうしても「一晩寝るための料金」と考えてしまいます。

でも八ヶ岳では少し違う見方ができると思います。

宿泊することで、

夕暮れまでいられる。

夜までいられる。

星を待てる。

夜道を急いで帰らなくていい。

酒を飲める。

温泉に入れる。

そして翌朝の高原を見ることができる。

つまり、

宿泊は、八ヶ岳で過ごせる時間を買うことでもある。

部屋だけを買っているわけではありません。

これはStargazing Guideが、これから宿について考えるときの大切な基準にしたいと思っています。


「どこへ行くか」から「何時にそこにいるか」へ

八ヶ岳旅行を考えるとき、多くの場合は場所から考えます。

どこへ行こう。

何を見よう。

どの店へ行こう。

でも、少し順番を変えてみる。

朝6時、どこにいたいか。

夕方5時、何をしていたいか。

夜9時、誰と過ごしたいか。

星が出たらどうするか。

雨だったらどうするか。

翌朝、何をしたいか。

そうすると、同じ八ヶ岳でも旅の形が変わってきます。

場所ではなく、時間から旅を作る。

それが星空案内室の考える八ヶ岳です。


星を見るなら、泊まったほうがいい。

もちろん、必ず宿泊しなければ星が楽しめないという話ではありません。

日帰りでも星は見られます。

でも、もし時間に余裕があるなら。

一人で静かな時間を過ごしたいなら。

二人で少し違う旅をしてみたいなら。

一晩だけ、八ヶ岳に時間を預けてみる。

夕方から高原にいる。

夜になったら空を見る。

星が見えたら嬉しい。

見えなかったら、その夜を楽しむ。

温泉に入る。

眠る。

そして翌朝、外へ出る。

そこで初めて分かる八ヶ岳があります。

星を見る場所を探すのではなく、記憶に残る夜を旅する。

50代、60代になったからこそ、そんな星空旅があってもいい。

何もない時間を、八ヶ岳へ。

星空案内室
Stargazing Guide

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次